議論は相合はぬ節多けれども

 議論は相合はぬ節多けれども、     常に小弟を勵ます益友、   木村鷹太郎君にこの著を献ず。

 はしがき

 僕、一席の演説を依囑せられ、その原稿を書いて居ると、この樣に長くなつてしまつたので、雜誌に掲載することも出來ず、止むを得ず一册として出版さすことにした。 曾て、博士三宅雄二郎氏、...

このエントリーの続きを読む≫

— posted by id at 12:03 pm  

晴れた静かな田舎の風景

「煩いよ――。俺は今そんなものゝことを考へてゐるんぢやない。」「兵隊のラツパなんてどうでも好いわよ。――しつかりしなさいよツ――」 滝野は、周子の声など聞えぬ風でそつと口のうちで呟いた。「だが困つたことには、あのラツパでは音の調程が出来ないことだ、思ひツきり強く吹かなければ鳴らないんだからなア、...

このエントリーの続きを読む≫

— posted by id at 12:03 pm  

二日酔の重い頭

 滝野は、二日酔の重い頭で物憂気に答へた。夕陽が部屋の真中まで射し込んでゐた。滝野は上向けに寝転んで天井を眺め、細君は伏向いて編物をしてゐた。「郊外の家でなら少しは、遅くまでお酒を飲んでも関ひませんわ。」「お酒はもう止さうかと思つてゐるんだ。」 細君は嬉し気に、だが眼を丸くして、「そして、ど...

このエントリーの続きを読む≫

— posted by id at 12:02 pm  

T: Y: ALL: Online:
Created in 0.0180 sec.

http://infogorilla.jp/