芸術の話

「僕は、夜といふものに対して不思議な感覚をもつてゐます。」「――」周子は、解るといふ風に点頭いた。解らないのだが、さうしないと軽蔑されるやうな惧れを感じたから。「滝野、君も古くから昼と夜とを転換してゐる生活を持つてゐるらしいが、君はどうだ、君は、昼と夜と、どつちの世界にほんとうの自分自身の姿を発...

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丁寧に客に挨拶して

「そして、歌でもうたはうか。」「歌は御免だ。」(あたしばかりぢやない、誰だつて参つてゐるんだ。)周子はさう思ふと、ちよつとその[#「その」に傍点]人も入つて来れば好いがなと、思つた。「さア行かう/\、担いでツてやらうか。」「担げるものか。」「担げるとも。」「ぢや担いで見ろ。」「よし来た...

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子供を寝かしつけてから

「よしツ、もう決心した。これから俺は東京市民にならなければならないんだからね、浮《う》か/\してもゐられまい。」彼は、生真面目な心でさう云つた。周子に非難されてゐる事実ばかりでなく、広く自分の生活にそんな風な楔を打たなければならない気がした。 その晩も滝野は、遅くまで帰らなかつた。 周子は、子供...

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