文壇内閣欄に於て

「……昨日偶々石川老が持参いたせし××雑誌を閲読いたしたる処、文壇内閣欄に於て計らずも御身の名前を発見し、母なるものは弱き哉思はず嬉し涙に咽び入り候 去月御身出京の節御身が私に云ひ残せし言葉は此の度こそは初めて詐りでなかりしこと相解り候 その節私が与へたる男子一と度郷関を出づ云々の古語を此上にも体得...

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その晩も、また滝野は机の前で徹夜した

 斯んなに読んでも、未だ滝野は身動ぎもせずに眠つてゐるが、周子は酷い退屈を覚え、この先読み続けるのは、頼まれても厭な気がした。――あんなに業々しい態度で、夜となく昼となく机の前を離れずに考へ、そして書いたことが、斯んな馬鹿/\しい愚痴だつたか、と思ふと軽蔑の念はおろか、彼女は肚もたゝなかつた。 そ...

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夢から醒めた気がした

 おや/\、俺は今川瀬と、何の話をしてゐたのだつたかな――純吉は、夢から醒めた気がした。(あゝ、さうだつた、俺はさつき好い加減な出たら目を川瀬に話してゐたんだ。)「うむ、書き続ける気だ。」純吉は、意味あり気にうなつた。 実際彼が、さつき川瀬に、小説が書けないで困つたことを材料にした小説を、もう一...

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